令和初の新年を迎え、日本人、そして日本社会は、様々な局面で「岐路」に立たされる。歴代最長の在任期間となった安倍晋三首相は、2020年を「新しい憲法が施行される年」とする目標を明言してきた。閣僚の連続辞任や「桜を見る会」関連、そしてIR(統合型リゾート)をめぐる収賄疑惑で自民党に所属していた議員が逮捕されるなど相次ぐスキャンダルで求心力が低下するなか、安倍政権のもとで「ニッポンのかたち」を変えていくべきか否か。そもそも、総理の椅子を明け渡す時期に差し掛かっているのではないか──結論次第で、この国の進路は大きく変わる。
4月には韓国で文在寅政権への審判が下される総選挙があり、11月にはトランプ政権があと4年続くのかを決める米大統領選が控えている。結果によっては外交交渉の前提が、根底から覆る可能性もある。
また、4月には秋篠宮が皇位継承順位第1位の皇嗣となったことを国内外に示す「立皇嗣の礼」が執り行なわれる。それにより皇位継承関連の儀式は区切りを迎え、女性天皇の是非や女性宮家創設など、皇室の未来を巡る議論も本格化するとみられている。
そして7月には東京オリンピックが開会する。直前の投開票となる都知事選では、都民による小池都政への評価が下される。五輪での日本勢の活躍や閉会後の停滞が懸念される景気動向も重大関心テーマだ。
さらには、70歳定年制の導入や高齢ドライバーへの運転制限など、急速に進行していく高齢化とどう向き合うかも、改めて問われることになるだろう。
様々な局面において、日本人の一人ひとりが、結論を出していかなくてはならない。令和2年はそんな年になりそうだ。
※週刊ポスト2020年1月17・23日号