メインスタジアムとなる新国立競技場がお披露目となり、いよいよ五輪への期待感が高まっているが、この競技場をめぐって散々問題になった予算については、いつの間にか誰も口にしなくなった。「コンパクト五輪」という掛け声のもと、はたしてどれだけの予算が五輪をめぐって使われたのか……かつて東日本大震災の復興予算流用問題をスクープしたジャーナリストの福場ひとみ氏が、徹底調査した。
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東京五輪で重要な役割を担う省庁にとって、「五輪」という名目は使い勝手がいいようだ。
文科省はアスリート支援の名目でさまざまな五輪関連予算を計上しているが、そのほかにも2016年より「文化プログラム」なるものをスタートさせ、4億2800万円もの予算が使われた。
文科省のHPには、開始時の模様が紹介されている。
〈(2016年)10月7日、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツだけでなく、国内外に日本の文化を発信すべく、文化プログラムがスタートしました。スタートに合わせて、江戸の文化の発信地であり、五街道の起点ともなった日本橋で「幕開き 日本橋 ~東京2020文化オリンピアードキックオフ~」と題したセレモニーが行われ、(中略)小池(百合子)知事は、2020年に向けた機運をオールジャパンで盛り上げるためには全国各地の方々との連携が不可欠とし、「今後展開するプログラムに多くの方に参加いただき、芸術、文化の魅力を感じて頂きたい」と話されました〉