医者が書く本と言えば、「こうすれば治る!」と独自の治療法を紹介するものばかりだが、発売1か月で3万8000部を突破したこの本は違うようだ。
京都大学大学院医学研究科消化器外科医の山本健人氏が上梓した『医者が教える正しい病院のかかり方』は、病院にまつわる初歩的な疑問の数々に丁寧に答えた内容で、“気になっていたけど先生には聞きづらかった”と読者の共感を集めているという。
今回は特別に山本氏が、本誌・週刊ポスト読者世代が気になる「手術を受けるとき」の疑問3つに答えてくれた。
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【Q:手術前は禁煙したほうがいい?】
治療方針の決定と同時に進めていただきたい準備の1つは「禁煙」。喫煙は術後肺炎などの呼吸器合併症や、心臓、血管など循環器系の合併症のリスクも高めます。
全身麻酔では呼吸も止まるため人工呼吸器のサポートが必要なのですが、術後は外して自分で呼吸しなければならない。このときに痰がたくさん出るのですが、喫煙者のほうが明らかにその量が多い。少なくとも術前1か月は禁煙しましょう。