全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるよう、文部科学省が定めているのが、「学習指導要領」だ。教科書も時間割もこれに沿って作られている。この学習指導要領が、小・中・高校で改訂され、学ぶ内容と学び方が大きく変わる。
小学校では2020年度から新しい内容が全面的に実施され、中学校では2021年度、高校では2022年度から全面実施される。
◆プログラミング教育
専門用語を覚えて技術を習得するわけではない。身の回りにあるコンピューターの仕組みがどうなっているのか、プログラムは身の回りのものとどう繋がって、どう社会で活用されているのかなどを体験しながら学んでいく。
◆外国語教育
小学3年生から英語教育が実施される。3、4年生は「聞く」「話す」を中心に、5、6年生はこれに、「読む」「書く」内容が加わる。
◆言語能力の育成
国語だけでなく、あらゆる教科で言葉の使い方を学ぶ。例えば、社会科で「権利と義務」という言葉が出たら、その意味と使い方を掘り下げ、言葉の力を育てる。
◆消費者教育
契約の重要性や消費者の権利と責任などについて、各教科などのなかで学んでいく。
文部科学省初等中等教育局の板倉寛さんに、改訂のポイントを聞いた。
「仕事の多くをAIが担う社会においても、自分のよさや可能性を認識し、他者と協働しながら豊かな人生を切り開くために必要な力を身につけられる内容になっています」
具体的には、自分で課題を見つけ、学び、判断する力を身につけさせるのだという。例えば、5年生からプログラミング教育、3年生から外国語教育が入る。その学び方も、生徒が互いに学び合い、意見を発表する「アクティブラーニング型」が取り入れられる。
家庭でも、親子でその日の出来事や時事問題などを話し合ったり、自然体験をはじめ、日常生活のさまざまな体験に一緒に取り組むなどの機会を増やすことが大事になっていくようだ。親の力も試される。
※女性セブン2020年1月16・23日号