医師から処方される薬は、言われるがままにどんな時でも飲み続けている。そんな人も少なくないのでは? しかし実は、処方薬は病状に合わせて種類や処方量が決められている分、成分バランスが崩れると副作用のリスクは高くなる。体にいい食べ物でも、組み合わせ次第で危険になることも。そこで、処方箋薬と食べ物のNGな組み合わせを紹介しよう。
※監修/銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘さん(薬同士ののみ合わせや副作用に詳しい)
◆不整脈・抗血栓の薬(ワルファリンカリウム)×納豆
血液をサラサラにするワルファリンカリウムの働きを、納豆や青汁、クロレラなどに多く含まれるビタミンKが阻害してしまう。特に納豆は腸内でビタミンKを増加させてしまうので、少量でも摂取は控えるべき。
◆抗血栓の薬(クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン塩酸塩)×しょうが
虚血性脳血管障害や虚血性心疾患など深刻な病気に処方される抗血栓薬を服用中は、血液をサラサラにするしょうがや玉ねぎを食べると、出血の危険性が増大する。さらに出血時には、止まらなくなる恐れも。
◆骨粗しょう症の薬(アルファカルシドール、カルシトリオール)×牛乳
「少しでも症状を軽く」とやりがちだが、命にかかわる危険性が。カルシウム増強薬を服用中に牛乳を過剰摂取すると、高カルシウム血症のリスクが高まる。喉の渇きや多尿に加え、錯乱や昏睡を引き起こすことも。
◆解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)、風邪薬(PL配合顆粒)×キャベツ
キャベツや白菜、ブロッコリーなど、アブラナ科の野菜が含有するグルクロン酸は風邪薬に含まれる鎮痛成分のアセトアミノフェンを分解し、尿として排出させてしまう。服用しても効果が期待できない。