スポーツ

野村克也氏が「現役監督では一番」と評価する名将は?

名監督が認める現代の名将は?

 南海、ヤクルト、阪神、楽天の監督を歴任した野村克也氏(84)。今季はかつて指導したことのある5人が監督としてチームを率いることとなった(ヤクルト・高津臣吾、楽天・三木肇、阪神・矢野燿大、西武・辻発彦、侍ジャパン・稲葉篤紀の各氏)。ここでは、西武の辻監督について、野村氏が語る。

 * * *
 2年連続リーグ優勝の実績が証明するように、辻は野球をよく知っている。私の教え子の中だけでなく、現役監督では一番だと思う。

 1987年の西武-巨人の日本シリーズで、中前打を処理するクロマティの怠慢プレーを衝いて、一塁から一気にホームインしたプレーは有名だが、1996年ヤクルトに移籍してきた辻に聞くとベースコーチではなく、自分の判断だったそうだ。しかも、サードベース付近でわざとスピードを落とし、クロマティを油断させたというから大したものだ。

 強力打線を持っていることもプラスに働く。私は最下位のチーム専門だったから、奇策や奇襲を多用した。だが、巨人V9時代の川上哲治さんは正攻法で戦った。強い巨人には奇策や奇襲が必要なかったからだ。当時の巨人に適した采配で選手の信頼を得た川上さんのように、辻もチームに合った采配で信頼を得ているのではないか。

 内野手出身の監督は捕手ほどの細やかさはないが、横(内野手同士)の連携を取っているので、総合的な視野で野球を考えられる。二塁手出身の辻も、三原脩(二塁手)、水原茂(三塁手)、川上哲治(一塁手)、西本幸雄(一塁手)といった名監督に連なる資質を持っていると思う。

※週刊ポスト2020年1月17・24日号

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン