国内

センター入試31年の歩み 受験生の選択肢増えたメリット大

試験開始を待つ受験生たち(写真/共同通信社)

 31年に及んだ大学入試センター試験の歴史が幕を閉じる。来度年から新しい「大学入学共通テスト」が始まり、最後となる1月18、19日のセンター試験は50万人以上が受験予定だ。受験生は、センター試験の結果を踏まえて、希望大学を受験することになる。

 そもそもセンター試験制度は、どんな経緯で始まったのか。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が解説する。

「センター試験の前身である共通一次試験(1979年~)は、国公立大の受験者のみが対象でした。でも得点に応じて足切りが行なわれ、大学の序列化が進んでしまった。私立大が利用できないことへの批判もあったことから、1990年にセンター試験が生まれたのです」

 初年度にセンターを利用した私立大は16校にとどまったが、次第に増加。今年は533校の私立大が利用し、全体では過去最多の858校に膨らんだ。

「私立大が増えた理由のひとつは、大学独自で質の高い問題を作成し、公平に採点するのが困難だから。センター試験の利用によって、大学側の負担が軽減され、受験料収入を効率的に得ることができる。大学進学率が年々上がっていることも影響して、少子化は進んでいる一方で、受験者数は減っていません」

 小論文やグループディスカッションを併用する大学や、センターの結果だけで合否を判定する大学などが増え、入試制度の多様化にも貢献した。受験生にとって入試の選択肢が増えたメリットは何より大きいといえる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン