岩井俊二監督の映画『ラストレター』(1月17日公開)に出演する広瀬すず(21才)。岩井俊二作品へは初出演となる。
「岩井さんの作品だ! やったーって思いました(笑い)」と無邪気に喜ぶ姿は21才らしいが、2つの世代が登場する劇中では、未咲とその娘・鮎美の2役に挑んだ。その演じ分け方は、感覚的な才能といえる。
「実は未咲と鮎美を演じる上で、そこまで差をつけて演じるつもりはなかったんです。鮎美が母を亡くすシーンから物語が始まるので、鮎美を演じる時には“母が亡くなった”という事実だけを念頭において演じました。2人の特徴を明確に分けるよりも、混ざっているくらいの方がいいかなって思ったので、境界線はふわっとさせていたかも。ある意味、同じ人に見えてもいいかな…と思ったんです」
物語では未咲とその妹・裕里(松たか子)、鏡史郎(福山雅治)との、ラブレターを通した“忘れえぬ初恋”が描かれる。現代はメールが主流となっているが、広瀬本人は「手紙は身近な存在」だと言う。
「昔から手紙を書くのが好きで、今でも機会があれば書きます。この映画を見ると、世の中には手紙さえあればいい!って思っちゃいました(笑い)。人が書いた字を見ることで、その人のぬくもりも想像できる。鏡史郎さんと文通することになる鮎美は、“お母さんのことを知っている”という共通のぬくもりを、手紙から感じたんだと思うんです。お芝居をしながら心にぐっときました」
鏡史郎は20年以上、初恋の人に思いを寄せる。誰かにそれほど思われることについて憧れはあるか聞いてみると、「憧れます!」と即答。女優の顔から一人の女性に戻った笑顔に、愛らしさがあふれていた。
※女性セブン2020年1月30日号