大量のプラごみやマイクロプラスチックの海洋汚染の深刻化で、ストローやレジ袋、食器容器等の削減が世界的に叫ばれている。レジ袋有料化が7月から始まる日本でも、 2020年はごみ問題に衆目が集まる──。
子供ができたのをきっかけに「3月までに40万円稼いでこい!」と妻から言われ、36才でごみ清掃員になったお笑いコンビ『マシンガンズ』の滝沢秀一(43才)。以来、2人の子供と夫人を二足のわらじで養って早7年。最近はごみ関連の本も出版。ごみ処理研究家としても活動中だ。
「ごみ収集の現場にはボクサーや声優など、夢を追う人が多い。最初は体力的にきつかったのですが、やがて『笑いのネタにする!』という気持ちになり、今やごみ収集が本業、芸人が副業です」(滝沢・以下同)
ごみ清掃員が特に多忙を極めるのが、年末から1月中旬にかけての今の時期だ。
「年末年始はごみの量が半端なく大量で、最近の年明けは発泡酒やビールの缶ごみが特に多い。缶ごみ回収が夜までかかるので、ボクらの労働時間は倍増します。ワインボトルや寿司桶・容器が増えるのもお正月の特徴。逆に12月は本や服、26日にはケーキがよく出ます」
年末から1月中旬までごみの現場は落ち着かず、「ごみ収集も命がけ」と感じさせる、悪質なごみ捨ても急増する。
「ごみが多くなると分別もいい加減になります。タオルでぐるぐる巻きにしたスプレー缶を見つけたのも年末でした。これらはとても危険なごみで、気づかずにパッカー車に投げ込んでスプレー缶が回転板に挟まったら、缶が破裂してガスが充満し、爆発していたでしょう。冬は静電気で引火しやすいですし。ボクは長年の経験で危険な缶を外し、大事故に遭わずに済みましたが…」
ちなみに、爆発した場合、1台約1000万円のパッカー車がパーになるが、全国で年間600~700件の炎上事故があり、毎年、数十億円が無駄になっている。
「だからこそ、スプレー缶と表示してから、ほかのごみと区別して出してもらえると本当にありがたい」
また東京では50年後、全国平均で20年後には、最終処分地が満杯になる“Xデー”が来るといわれている。
「ごみは燃やしても灰が残り、その埋立てと浸出水処理に莫大な費用がかかる。減量と分別が重要です」
※女性セブン2020年1月30日号