ライフ

東大中退シェフが手掛ける「日本一おいしい病院レストラン」

日本一おいしい病院レストランのシェフ・山田康司さん考案の、キャベツと肉だねを炊飯器に重ねて入れるだけで作れる「キャベツケーキ」(写真は著書『日本一おいしい病院レストランの野菜たっぷり長生きレシピ』より。撮影/泉健太)

 北陸新幹線の上田駅からバスで揺られること約30分。このあたりではひときわ高い9階建ての最上階に、目的のレストランはある。2013年の夏に開業したレストラン『ヴァイスホルン』だ。

 白を基調とした店内にはアンティークの家具や雑貨が並び、南に大きく開けた窓からは、上田の山並みがはっきりと見下ろせる。

 提供していただいたのは、メインの「牛ヒレ肉のソテーファン」を含む6品。ミディアムレアに火が通った牛肉はやわらかく上品。つけ合わせには、ほんのり甘い大根とにんじんのソテー、にんにくの風味が香ばしいきのこ、ほどよく歯ごたえの残ったほうれん草…。出てくる食材はどの家庭でも使うようなものだが、一つひとつの味が際立って、見事に調和している。まさに本格フレンチである。長野の上田市にこんな名店があったとは──。

 驚くべきはそれだけではない。この『ヴァイスホルン』は、なんと病院の中にある。

「地域に開かれた病院」を目指す、この丸子中央病院では、その一環として病院レストランを開放しており、一般客も利用できる。営業は平日のみで、日替わりランチ(平日11時~、14時ラストオーダー)と、カフェ・4~5種類の中から選べるデザートセット(平日14時~、16時ラストオーダー)を提供。それでも遠方から食べにやってくる熱心なファンが後を絶たない。

 もちろん、患者にとっても『ヴァイスホルン』は魅力的だ。入院患者には、月に1度「スペシャルディナー」の日を設け、特別メニューを提供している。また、冒頭で登場した牛ヒレ肉のソテーをはじめとする6品は、人間ドック受診者に提供される特別メニューだ。

「一見、ボリューミーですが、前夜から食事を抜かなければならない人間ドックの後に提供されるので、みなさんペロリと召し上がってしまいます。苦しい検査の後の“ごほうび”のように感じてくださっているみたいです」(丸子中央病院広報部スタッフ)

人間ドック受診者専用の特別ランチ。メニューは牛ひれ肉のソテーをメインに、焼き鮭、えびと帆立のポン酢ジュレ、朝鮮人参のスープ、柿とほうれん草のくるみあえ、デザート(撮影/平野哲郎)

関連キーワード

関連記事

トピックス

隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト