血管の異変は心疾患や脳血管疾患の原因となる。健康寿命を伸ばす最大の対策は自分の血管年齢を知ることだ。その目安となるのが、表の「血管年齢チェックリスト」である。12のチェック項目ごとにリスク度を足していくと、「年相応」「実年齢より10歳以上老化」「実年齢より20歳以上老化」の3パターンを診断できる。
「リスク度の合計値が9以上の方は、一度病院で精密な検査を受けた方が良い」と、チェックシートを作成した池谷敏郎医師(池谷医院院長)は話す。
食生活の改善が求められるのはもちろんだが食事以外の生活習慣の改善も、血管年齢を若返らせるために重要だ。喫煙者はまず禁煙を考えるべきだという。
「タバコを吸うと血管の収縮作用によって血圧が上がります。狭心症や心筋梗塞のリスクが約3倍になり、寿命が10年短くなるとの報告もある」
入浴も血管年齢の若返りに効果的だ。
「お風呂に入って温まると血流がよくなります。お湯が熱すぎるとかえって血管が収縮するので42度未満に抑えて、10分ほど入浴するのが理想です。また、その後の睡眠も大事。眠っている間に分泌される成長ホルモンによって、血管が修復されてしなやかになります。ただし4時間未満の睡眠だと寝不足によって交感神経の緊張が高まり、血圧が上がって脳神経の血管事故が増加するので、十分な睡眠を心がけましょう」