乾燥が気になる冬の季節。特に肌にとっては大敵そのものだ。肌の専門家である皮膚科医は、どうやって乾燥と闘っているのだろうか。
あいこ皮フ科クリニック院長で皮膚科医の柴亜伊子さんは「肌の乾燥は食べ物とワセリン(プロペト)で対策している」と話す。
「卵や肉に含まれるコレステロールは、肌の保湿成分として必須です。また、レバーにはシミの原因になる活性酸素を除去してくれる酵素・カタラーゼの材料となるヘム鉄が豊富なうえ、肌の代謝を上げてキメを整えてくれるビタミンAも多い。
これらの食べ物に加えて、夜のスキンケアの時、化粧水や乳液などを塗った後、最後にワセリンを塗ると肌にフタをすることができて保湿効果が高まります」(柴さん)
ただしワセリン自体に保湿効果があるわけではないため、ワセリンだけを肌に直接塗っても意味がない。必ず、化粧水や乳液などほかの保湿成分を持つスキンケア用品を先に塗り、それと組み合わせて使う必要がある。
また、シミ予防にはビタミンCも効果的だが、ビタミンCの多い食品を直接肌にのせるのは考えものだ。
「レモンの輪切りを顔に貼ったり、レモン果汁をヨーグルトに混ぜてパックする方法はたびたび雑誌やテレビでも紹介されます。しかし、卵白やはちみつ、オリーブオイルなどを含めて、食べ物を直接肌に塗るのは、かぶれや食物アレルギーを起こす可能性があり、おすすめできません。特に柑橘類には光毒性があるため、レモンパックをした後に紫外線に当たると、余計にシミになってしまいます」(柴さん)
同じく皮膚科医でやさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院院長の宇井千穂さんは、抗酸化作用のある「SOD酵素」に注目する。