リコーダーのような運指でさまざまな音色を奏でることができるデジタル管楽器『エアロフォン・ミニ』(オープン価格 実勢価格約3万5000円前後)。場所や時間を選ばず楽しむことができる新しい楽器だ。
人気のあるサックスを模した形でスタートした商品だが、開発を担当したのは現役の管楽器奏者だという。開発にはどんな物語があったのだろうか。
この商品の開発に携わったローランドの寺田裕司さんは、管楽器の中でも人気が高く目立つ存在であるサックスを参考にしたという。
管楽器であるからには、吹口を吹いたら表情豊かに音が出るようにしなくてはいけないが、それを電子楽器で実現させるのはとても難しい。
そこで、同社が発売していた電子アコーディオンの「ふいご」の仕組みを取り入れて、吹口に付いたセンサーにより、吹き込む息の強弱で音が豊かに鳴る仕組みを採用した。
管楽器に縁がない人にとっては一見難しそうに見えるが、実際は、リコーダーに近い運指で演奏できるというかなりとっつきやすいものになっている。
この商品の前身となる『エアロフォン』は2016年10月に発売。以降、進化を繰り返し、2018年7月には手が小さい人でも持ちやすいように小型化された。
Bluetoothを搭載してスマホ専用アプリでも操作できるようになった。今回新発売された『エアロフォン・ミニ』は、さらに小型化と低価格化を実現した。
音色は、サックス、フルート、クラリネット、トランペット、バイオリン、シンセサイザーと厳選された6つを搭載。アプリを使うと70種類以上の音色が選択できる。
意外にも人気なのが尺八の音色だそうで、電子楽器から飛び出す和風の音色に、奏でる人も聴く人も笑顔になる。
専用アプリの練習曲なら運指まで表示してくれるので、楽譜が読めずとも好みの曲を演奏することができる。憧れの奏者に一歩近づける逸品だ。
※女性セブン2020年1月30日号