中国西部・江西省鷹潭市がここ数年、68歳から92歳までの19人が構成員のマフィア組織によって事実上、牛耳られていたことが分かった。しかし、地元警察が昨年、マフィア撲滅作戦を展開し、恐喝やゆすり、誘拐、不法拘禁、社会秩序攪乱、暴力行為などの容疑で19人全員を逮捕、裁判で全員が有罪となり、組織のボスの懲役16年を筆頭に、他の18人にそれぞれ懲役1年から11年の実刑判決が下された。地元紙『江西日報』が報じた。
このマフィア組織は通称「劉家高齢者協会」というもので、マフィアの構成員はほとんどが劉という姓を名乗っている。構成員の大半が鷹潭市出身で、彼らの家族や一族も同市周辺の有力者で、警察組織や市政府、裁判所などの官公庁のほか、地元の経済界、政界にも隠然とした影響力をもっていたといわれる。
ある市民は同紙の取材に対して、「彼らは地元の(共産党)党委員会や市政府よりもさらに強力だ。彼らに逆らうと、鷹潭市周辺で生きていくことができないほどだ」と証言している。
例えば、市民が自宅を新築したりある会社が新しいオフィスに引っ越したり、レストランや商店がオープンする計画を立て、それを市政府の承認を得ても、マフィアは用心棒代や場所代といった「みかじめ料」を要求。それを拒むと、様々な因縁をつけられて、営業や生活ができなくなるという。
市政府が新しい小学校を建設しようとしたが、マフィアメンバーが「周辺がうるさくなる」などと因縁をつけたことで計画はとん挫し、子供たちは長い通学時間をかけて、周辺の町の学校に通わざるを得なかった。