国内

日本人と留学生が半々 注目集める「立命館アジア太平洋大学」

APUでは韓国人をはじめとする留学生と日本人学生が入り交じるランチタイムが日常(撮影/三谷俊之)

 国連職員、インドネシア東ジャワ州副知事、NHK、丸紅――日本のみならず世界の第一線で活躍する人材を輩出しているのは、大分県別府市の郊外、標高300mを超える高台にある私立大学「立命館アジア太平洋大学(APU)」だ。海外のエリート校でもなければ、東京の有名大学でもない同大学のキャンパスの中を、日本人の学生に交じって韓国やベトナム、アメリカからノルウェーまでさまざまな国籍の学生たちが忙しそうに通り抜ける。

 立命館大学のグループ大学として2000年に学校法人立命館が開学した同大学は、イギリスの高等教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』が発表した「THE世界大学ランキング日本版」でも2年連続私立大部門で慶應、早稲田、ICUや上智に次いで5位にランクインするなど、大きな注目を集めている。入学部長の近藤祐一さんが解説する。

「本学のいちばんの特徴は、開学当初から現在にいたるまで、学生の割合が日本人と外国人留学生が半分ずつだということ。他大学でも留学生の多いところはありますが、うちのように学生全体の半数を占めるというのは非常に珍しいと思います」

 キャンパス内には「APハウス」と呼ばれる学生寮があり、1年目の留学生ほぼ全員と日本人学生の7割はそこで共同生活をする。

「つまり日本にいながら多文化の中で生活をすることができる。しかも、近くに居酒屋もゲームセンターもカフェすらない環境だから、自然と大学内にいることが増え、ディスカッションが生まれることも多いのです」(近藤さん・以下同)

 大学から別府市内に行くにはバスで30分ほどかかる。だから、寮に入っていない学生も必然的にキャンパス内にいる時間が増え、コミュニケーションをとるようになる。

「学生たちは、キャンパスから出て市内に行くことを“下界に降りる”と言っています」

 神奈川・横浜市出身の2回生・近藤由歩さん(20才)は「国籍も言葉も何もかも違う人たちと暮らすのは新鮮」と語る。

「中学・高校と英語を中心に勉強してきたから、英語を使って興味のあった分野であるマーケティングを学びたいと思って進学しました。そういった分野が勉強できるのは、この大学だけだったんです。授業はもちろん、留学生たちとの共同生活からもたくさんのことを学んでいます。キッチンに置いたものを勝手に使われたり、時間の感覚が違うから集合時間に誰も集まらなかったり…トラブルや戸惑いもありますが、普通の大学生活では得ることのできない経験だと思います」

 彼女は当初、親や周囲には東京や横浜の大学をすすめられたが、周囲を説得して同大学を選んだ。

※女性セブン2020年2月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン