ライフ

血液検査と尿検査 糖尿病や腎臓病を見落とす恐れも

各項目が何を調べているのか把握する必要がある(写真/AFLO)

 健康診断を受診する際、定番の血液検査と尿検査では、「リスクの見落とし」が発生する。

 尿の生成と排泄を司る腎臓の検査では、主に尿にたんぱくが漏れ出る「たんぱく尿」と、腎臓の老廃物ろ過機能を示す「eGFR」を調べる。北品川藤クリニック院長の石原藤樹医師が指摘する。

「ごく初期の慢性腎臓病では、たんぱく尿やeGFRが検出されないため、『異常なし』と診断されても安心できません。とくに高血圧や糖尿病の人は慢性腎臓病を併発するリスクが高くなるので要注意です」

 たんぱく尿だけ「陽性」となり、ほかの腎機能検査で異常が見つからないと、「とりあえず様子を見ましょう」とする医師は少なくない。だがその後、風邪などをきっかけに腎機能が低下して急性腎障害を患い、人工透析が必要になる事例があるため注意したい。

 血液検査では、糖尿病を見落としてしまうリスクもある。

「通常、朝食などを控えた『空腹時血糖値』を測定しますが、糖尿病には、食事をした後の『食後血糖値』が高い数値のまま継続するタイプもあります。このタイプは通常の血液検査では検出されない“隠れ糖尿病”で、自覚症状がないまま症状が進行するケースがあります。さらには、動脈硬化が進行して、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが倍になるという報告もあります」(石原医師)

 隠れ糖尿病には自覚症状がないが、肥満や運動不足、喫煙や過度の飲酒に偏った食生活など、生活習慣の乱れが目立つ人ほど気をつけたい。

「不安な人は、薬局などで購入できる尿糖試験紙を利用して食後1~2時間の尿糖を測ってください。そこで陽性反応が出たら、医療機関の受診をお勧めします」(石原医師)

※週刊ポスト2020年2月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン