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腫瘍マーカー検査 がんの早期発見には適さない理由とは

「異常なし」と言われても…

 がん検診のオプションとなる腫瘍マーカー検査。採血し、がん細胞から分泌される微量なたんぱく質を検知し、画像診断と組み合わせて、肺や大腸、膵臓、胃、肝臓などにできたがんを発見する検査だが、がんの早期発見には適さない。ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師はこう指摘する。

「基本的にがんの治療効果や再発の有無を調べる検査で、初期の小さながんを見つけることは難しい。逆にがんがないのに『陽性』として出てしまう場合も多く、検診としてはあまり有効ではない」

 ただし腫瘍マーカーの一種で、前立腺がんを発見する「PSA検査」は「早期に見つけすぎる」とのリスクがある。NPO法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が指摘する。

「様子見すべき腫瘍まで見つけてしまい、担当医が手術を勧めるケースが多い。しかし慌てて手術すると、尿漏れやED(勃起不全)のリスクが生じます」

 MRI検査や超音波検査などで脳の状態をチェックする脳ドックで異常がなかったのに、その後に脳梗塞やくも膜下出血を発症することがあるという。

「現在のMRIは精度が高く、異変を見落とす可能性は少ない。ただし、ここでいう『異常なし』は“現時点では発症していない”ということであり、“リスクがない”という意味ではない。

 検査前に控えていたお酒やタバコなどを再開することでストレスがかかり、血圧の上昇や血栓の発生などを招いて脳梗塞やくも膜下出血を起こすケースがあります。とくに高血圧や不整脈などの持病がある人は、脳ドック後の生活習慣に注意が必要です」(くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋医師)

※週刊ポスト2020年2月7日号

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