中国湖北省の武漢市を襲った新型コロナウイルスの感染による肺炎。発症者は日に日に拡大し、中国本土の死者数は132人で、感染者は世界全体で6000人近くとなっている(1月29日時点)。
このウイルスに関する情報は中国当局が出しているが、そもそも彼らの情報開示を信用するわけにはいかない。
武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎が発生したのは、昨年12月上旬のことだ。
「しかし、武漢市当局が、“職場の許可がなければ感染状況を話してはいけない”と肺炎の箝口令を敷いたことを、武漢在住の医師が証言しました」(日本人ジャーナリスト)
武漢市当局が新型肺炎の存在を認めたのは12月31日になってからだった。
「しかも感染者を45人、62人、198人と小出しに発表しました。同じ頃、イギリスの研究チームは、武漢市の国際空港の利用者数とウイルスの特性などから、感染者は1700人を超えると推計していました。その後の感染者数から、武漢市当局の数字がデタラメだと大騒ぎになりました」(全国紙社会部記者)
中国には「前科」がある。2002年に中国の広州地域でSARSが発生した際、中国政府は2か月以上も国際社会に情報を開示しなかった。この間に感染は拡大を続け、最終的に感染者は8000人を超え、700人以上が死亡した。
中国国家衛生健康委員会は1月27日の会見で感染が疑われるのは5794人と発表したが、この数字もにわかに信じられないという。
「中国当局の隠蔽体質や事なかれ主義はSARSの時から変わりません。武漢市では感染者の増加した1月12~17日に湖北省人民代表大会の会議が開かれましたが、感染対策は議題にもならなかった。27日の会見で湖北省トップは感染の拡大について、“責任を感じている”と謝罪しましたが、国際社会から見たら“何を今さら”という感じです」(前出・全国紙社会部記者)
今後新型ウイルスはどこまで猛威を振るうのか。
「団体旅行が禁止されて日本へのツアー客が減るとはいえ、個人客の来日は止められません。武漢発成田着の飛行機が飛べなくなっても、中国発の航空機が続々と日本に着陸します。それだけでなく、世界各国に散らばったウイルス感染者が日本に観光に来ることが予想されます。
現地の医療関係者の中には“感染規模はSARSを超えている”という人もいる。7月の東京五輪まで感染危機は続く、という声すらあります」(前出・日本人ジャーナリスト)
感染拡大は深刻である。
※女性セブン2020年2月13日号