寒い冬の季節には、具材を切って煮るだけの鍋を食べて、暖まりたいところ。そこで、料理研究家の瀬尾幸子さんに、スープにこだわった鍋レシピを伝授してもらった。
【教えてくれたのは…】
料理研究家・瀬尾幸子さん/誰でもおいしく作れる簡単で家庭的なレシピが人気。著書に『素材がわかる料理帖 瀬尾幸子の簡単レシピ全114品』(暮しの手帖社)など多数。
◆具材の旨味が染み込んだスープは最高のごちそう
「鍋でいちばんおいしいのは煮汁。複数の具材からいいだしがたくさん出ているので、スープを食べないともったいない」と、瀬尾幸子さん。
瀬尾さんのお鍋は作り方や材料はシンプルなのに、野菜や肉の旨味がたっぷり溶け込んで、スープは最後の一滴まで飲み干したくなるおいしさ。
「鍋の素は味が決まっていてラクですが、味を引くことができないでしょ? 自分で作るお鍋は入れる具材で味が変わるのがいいところ。この3種類のお鍋に水炊き、寄せ鍋を加えるだけでも、冬の間は毎日飽きずに食べられますよ」
◆野菜たっぷりワンタン鍋
●材料2~3人分
豚ひき肉:100g、ごま油:小さじ1、塩・こしょう:各少量、もやし:2袋
長ねぎ:1本、しいたけ:2枚、青梗菜:2株
赤パプリカ:1/2個、ワンタンの皮:20枚
[A]水:5カップ、鶏がらスープの素(顆粒)・しょうゆ:各大さじ1、塩:小さじ1、しょうが(千切り):20g、にんにく(薄切り):1片、八角:1/4個
●作り方
【1】豚ひき肉にごま油、塩、こしょうを入れ、よく練る。
【2】もやしはひげ根を取る。長ねぎは5mm幅の斜め薄切りにする。しいたけは石突きを取り、薄切りにする。青梗菜は葉はざく切りに、根元は縦8等分に切る。パプリカは細切りにする。
【3】鍋に[A]と【2】を入れて火にかけ、沸騰させる。野菜がほぼ煮えたら、ワンタンの皮の中央に【1】を少量のせ、三角に畳んで鍋に入れる。煮えたら汁や具と一緒に器に取って食べる。
【〆におすすめ】中華麺。スープをご飯にかけてお茶漬け風にして食べてもよし。
◆ごま豆乳鍋
●材料2~3人分
豚バラ薄切り肉:200g、小松菜:4株、にんじん:1本、
しめじ:1パック、長ねぎ:1本、豆乳(無調整):2カップ、
[A]だし:2.5カップ、しょうが(すりおろし):大さじ2、薄口しょうゆ:大さじ3~4、白すりごま:1/2カップ
●作り方
【1】豚肉は食べやすい大きさに切る。小松菜は根元を切り、4cm長さのざく切りにする。にんじんは皮をむき、短冊に切る。しめじは石突きを取り、小房に分ける。長ねぎは5mm幅の斜め薄切りにする。
【2】鍋に[A]と【1】を入れて火にかけ、沸騰させて具が軟らかくなるまで煮る。
【3】豆乳を加えてひと煮立ちさせる。
【〆におすすめ】ご飯、うどん。翌日、みそを加えておじやにしてもおいしい。
◆さば缶のキムチみそ鍋
●材料2~3人分
木綿豆腐:1丁、長ねぎ:1本、春菊:1束、
にら:1束、えのきたけ:1袋、水:5カップ、
さば缶:2缶(1缶190g)、白菜キムチ:150g、みそ:大さじ4
●作り方
【1】豆腐は8等分に切る。長ねぎは5mm幅の斜め薄切りにする。春菊は根元を切り、ざく切りにする。にらは根元ごとざく切りにする。えのきたけは石突きを取り、半分に切ってほぐす。
【2】鍋に水、【1】を入れ、さば缶とキムチは共に汁ごと入れる。中火にかけ、沸騰させる。
【3】具が軟らかくなったらみそを溶き入れ、弱火で煮ながら食べる。
【〆におすすめ】うどん、ご飯、餅。ピザ用チーズや溶き卵を加えても◎。
撮影/深澤慎平、菅井淳子
※女性セブン2020年2月13日号