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大河の池端、昼ドラの倉本 大ベテラン脚本家がなお活躍のワケ

『麒麟がくる』の脚本を手掛けたのは、池端俊策さん(公式HPより)

 現在放送中の連続ドラマには話題作が多いが、その中には大ベテランとも言うべき高齢の脚本家が手掛けたものもある。世間ではリタイアする年齢の彼らが、今も活躍を続けられるのはなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)の初回総合視聴率が発表され、測定がはじまった2017年以来最高の25.3%を記録したことが明らかになりました。総合視聴率とは、リアルタイム視聴率とタイムシフト(録画)視聴率の合算であり、「いかに多くの人々が見たか」の指標。2017年『おんな城主 直虎』の同22.1%、2018年『西郷どん』の同21.9%、2019年の『いだてん』同20.3%と比べても、より多くの人々が見ていた様子がうかがえます。

 好スタートを切ったのは視聴率だけではありません。大河ドラマの王道をゆく戦国モノで、主人公の子ども時代を描かない物語にも称賛の声があがっていますが、その立役者は脚本を手がける池端俊策さん。池端さんは今村昌平監督の『復讐するは我にあり』『楢山節考』の脚本に関わり、1991年には大河ドラマ『太平記』を手がけ、紫綬褒章や旭日小綬章も受けたレジェンド脚本家です。

 74歳の今も現役であるどころか、「最も技術と時間が必要」と言われる大河ドラマの脚本を手がけていることに驚かされますが、現役バリバリの大ベテラン脚本家は池端さんだけではありません。

◆日本一ドラマを書いている85歳の脚本家

 池端さんのひとまわり年上となる85歳の倉本聰さんは、現在昼ドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)を手がけています。凄いのは、大河ドラマと同様に1年間放送され、しかも月曜から金曜まで放送される帯ドラマであること。1話20分×5日=毎週100分を約50週に渡って手がけるのですから、大ベテランでありながら「日本一ドラマを書いている脚本家」でもあるのです。

 池端さんの少し年下を見ても、今冬は68歳の大石静さんが『知らなくていいコト』(日本テレビ系)を執筆。日本テレビの名門枠『水曜ドラマ』(毎週水曜22時~)の放送であり、原作のある作品が多い中、意欲的なオリジナル作を手がけていることが、健在ぶりを感じさせてくれます。また、大石さんは2006年の大河ドラマ『功名が辻』(NHK)以来、15年連続で連ドラを手がけているなど、脚本家の中でも飛び抜けた存在と言えるでしょう。

 いずれも一般社会のサラリーマンなら定年退職している世代だけに、現役バリバリで、年下世代よりも多くの仕事をこなしていることに驚かされます。

 すでにレジェンドと言える大ベテランたちの活躍が目立つのは、決して「若い脚本家が育っていない」という理由だけではないでしょう。

◆円熟の技術に加えて挑戦する姿勢

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