プロ野球12球団が一斉にキャンプイン、2020年シーズンのレギュラーポジションをめぐって激しい争いが始まる。2019年セ・リーグ優勝を果たしたものの、2012年以来、日本一から遠ざかっている読売巨人軍では、一塁をめぐる争奪戦が始まる。
阿部慎之助引退後の一塁は誰が守るのか。原辰徳監督直々に“激戦区”とした一塁手候補にはベテラン中島宏之に加えて、大卒3年目・北村拓己(24)と高卒2年目・山下航汰(19)の若手2人を名指しした。昨季のイースタンで、北村は最高出塁率、育成出身の山下もルーキーながら首位打者を獲得した。巨人の番記者が語る。
「北村はパンチ力はあるのですが、ボールに当てにいってしまうのが課題で本塁打が少ない。自主トレで指導を受けた坂本勇人からも『大きく振れ』と言われています。山下の武器はミート力。内角のさばき方は天才的です」
昨季、一塁も守っていた主砲・岡本和真を三塁に固定する方針を示し、若手台頭の舞台は用意されたかのように見える。
ただ、与えられるチャンスは多くない。OBの広澤克実氏が分析する。
「今季はキャンプ、オープン戦が短縮されていて、一軍での実績がない2人の実力を見極めるのが難しい。開幕前に新外国人を補強したり、大城卓三に任せるといった選択肢にシーズン序盤は落ち着くのではないか」
※週刊ポスト2020年2月14日号