新型コロナウイルスにどう備えるべきなのか。ワクチンが開発されていないうえ、予防にも限界がある以上、かろうじて考えられる対策としては、「免疫力を高める」ほかないのかもしれない。感染症に詳しい大阪健康安全基盤研究所の奥野良信理事長が語る。
「感染症で重症化する人は免疫力が低下しているケースが多いので、食事で十分な栄養素を摂り、免疫力向上を心がけるとよいでしょう。インフルエンザなどの一般的な感染症予防に有効とされる栄養素は、新型ウイルスにも有効と考えられます。
イワシやニシンなどの魚類やきのこ類に豊富なビタミンDは、インフルエンザ予防に有効との英・ロンドン大のエビデンスがあります。緑茶に含まれるカテキンも、ウイルス感染の予防効果があるとの研究がある」
管理栄養士の岡田明子氏が指摘する。
「免疫の要である白血球の働きをサポートするビタミンCや、体内でビタミンAに変わって粘膜を保護するβカロテンなどの栄養素を摂るとよいでしょう。ビタミンCを多く含む食材は小松菜やブロッコリーがあり、βカロテンが豊富な野菜は、かぼちゃなどがあります。
他にも、マイタケに含まれるβグルカンという食物繊維や、納豆に豊富な納豆菌などは、腸内環境を整えて免疫を高める効果が期待できます」
ただし、奥野氏は注意点もあると語る。
「特定の栄養素ばかりを偏食すれば、かえって免疫力を低下させます。栄養バランスが最も重要です」
※週刊ポスト2020年2月14日号