相次ぐ「あおり運転」や「高齢ドライバー事故」などを受け、ドライブレコーダー(ドラレコ)が売れに売れている。
不測の事故に巻き込まれたときにきちんと“証拠”を残してくれる──そんな期待が販売好調の背景にあるわけだが、いざ事故に遭ったときに、肝心の映像が映っていなかったりSDカードに記録されていなかったりと“期待外れ”の事態が待っていることもあるという。
ドラレコの種類は大まかに〈一方向(前方)型〉〈広角型〉〈天球レンズ型〉の3つに分かれる。
〈一方向(前方型)〉は、フロントガラスに設置したときに、視界と同じ程度の範囲を録画する。もっとも一般的なドラレコで、市場では1台1万円以下で流通している。このドラレコの視界をもうすこし広げたのが〈広角型〉。丸いレンズで、360度を録画できるのが〈天球レンズ型〉。
価格帯で見ると一方向型がもっとも安く、広角型は1台2万円弱、もっとも高価なのが1台4万円前後の天球レンズ型となるが、各々のドラレコはその役目が異なるため、必ずしも高額なものを購入すれば良いというわけでもないという。自動車パーツ会社の役員がいう。
「一方向型の前後セットを買ってフロントとリアに設置すれば、自分の運転(前方)と他人からの追突(後方)を明瞭に記録できます。ただし、この種類だと車の側面を撮れないので、あおり運転の一種である〈幅寄せ〉などは映りません」
ただ、ぶつかったときの直接の衝突場面が映っていないから、ドラレコには意味がないと考えるのは早計だ。