大阪・阿倍野区にある『助産院ばぶばぶ』院長で助産師のHISAKOさんは自らも11人の子を産んだ肝っ玉母さん。全国から彼女のもとへと駆け込む母親の数は約5万人にも上る。まさに、全国の母親の味方なのが、HISAKOさんだ。
◆流産を乗り越えて授かった11人の命
HISAKOさんが助産師を志すことになったきっかけとなったのは、高校生の頃にテレビで見た出産シーン。その時、初めて助産師という仕事があるということを知った。もともと子供好きだったHISAKOさんは「自分の進むべき道はこれしかない!」と、心に固く決意を抱く。
その後は看護短期大学へ進み、2年生の時には自然分娩ゼミでお産の現場に立ち会った。
「目の前で産声を上げる赤ちゃんと、ほんの数分前まで陣痛に苦しんでいたお母さんの安堵と幸せに満ちた表情を見て、涙が溢れるほど感動しましたね」(HISAKOさん・以下同)
短大卒業後は総合病院小児科、産婦人科、NICU病棟に勤務。23才で結婚した後も産婦人科クリニックでたくさんの赤ちゃんの誕生に立ち会ってきた。
そして24才の時、第1子となる長男を出産し、クリニックを退職。翌年には第2子(長女)を、翌々年となる2001年には第3子(次女)、2002年には第4子(次男)、2004年に第5子(三女)を出産した。
「実は最初の妊娠で流産を経験しているんです。だから1人目の子が生まれてきてくれた時は本当にうれしかったですね」
5人目の出産から3年3か月後。第6子(四女)を産んだ年には、それまで出張専門で行っていた『助産院ばぶばぶ』をリニューアルオープン。
「正直、いちばん最初のお産の時は58時間もかかる難産だったんです。それまで助産師として何度もお産に立ち会っていたので知識はありましたが、結構大変でした(苦笑)。でも、2人目からは4時間、2時間…とするっと安産になりましたね(笑い)。余裕もできました」
その後も2008年に第7子(五女)、2010年に第8子(三男)、2012年に第9子(四男)、2014年に第10子(六女)、そして2016年には第11子(七女)を出産。育児に仕事に向けるパワフルさには圧倒させられる。
イラスト/すぎやまえみこ
※女性セブン2020年2月20日号