相次ぐ「あおり運転」や「高齢ドライバー事故」などを受け、ドライブレコーダー(ドラレコ)が売れに売れている。
不測の事故に巻き込まれたときにきちんと“証拠”を残してくれる──そんな期待がドラレコ人気の背景にあるわけだが、法科学解析研究所・代表理事の石橋宏典氏は、こんな注意喚起をする。
「最近の交通事故鑑定では、ドラレコの映像解析作業が多くを占めますので、使い方には注意を払っていただきたいですね。たとえばHDR機能はオフにしたほうがいいでしょう」
HDRとは、画像の明暗差を自動補正する機能で、白トビと黒つぶれを抑えて〈見やすくする〉が、石橋氏によれば注意すべき点があるという。
「HDRを使うと、一見きれいな映像が撮れますが、ズームアップして見ると、細部がブレていることがある。ドラレコのモニター上では鮮明に映っているように見えても、細部を拡大してみると、ブレブレでナンバープレートが読めないということがあります。
それなら機能をオフにして、ピント優先のノーマルモードで撮っておいたほうが安全です。映像の明るさは後で調整できますが、ずれたピントを合わせることはできません」(石橋氏)