SNSなどに書き込まれる罵詈雑言。書き込む彼らは、匿名だからと、安全な場所から石を投げているつもりだ。が、いまの時代そうではない。誹謗中傷した結果、どのような顛末となったのか。それぞれのケースをお伝えする。
◆「死ね」と投稿した人を脅迫容疑で書類送検
2019年6月、舌がん闘病中のタレント・堀ちえみ(52才・写真)のブログに中傷コメントを書き込んだ50代主婦が、脅迫容疑で書類送検された。女性は堀のブログに繰り返し「死ね」などと投稿。
書類送検後も「“殺す”とは書いていない。“死ね”でも脅迫になるんですか?」などと発言。
◆ネットに匿名性はないことが明らかに
女優の春名風花(19才)は、9才でツイッターを始めてから約10年間、劇場への爆破予告をはじめとした悪質な誹謗中傷コメントに悩まされてきた。
「ネットは匿名じゃないと示したい」と、投稿者の身元を特定する法的措置を取ることに。2019年11月には、誹謗中傷をした投稿者の情報開示がプロバイダー側に命じられ、身元を特定。
今年1月、投稿者に慰謝料など約265万円の支払いを求めて提訴した。
◆いじめ被害者の実名をさらして損害賠償請求
埼玉県川口市の中学校で、いじめに遭った元男子生徒が、実名をインターネット上の掲示板サイトに書き込まれて中傷される被害に遭った。
元男子生徒の保護者は、子供のプライバシーを侵害されたとして、プロバイダー(ネット接続業者)3社に、発信者の名前などの情報を開示するよう提訴。
2018年12月、東京地裁は3社に開示を命令。2019年5月、書き込んだ元同級生の父親らに計160万円の損害賠償を求め、のちに和解。
◆リツイート(転載・拡散)も名誉毀損で訴えられる!
某ジャーナリストが、「元大阪府知事の橋下徹(50才・写真)が府知事時代に部下を自殺に追い込んだ」とする第三者の投稿をリツイートしたところ、名誉毀損で訴えられた。
2019年9月の判決で、慰謝料など33万円の支払いが命じられた。転載や拡散するだけのリツイートも名誉毀損として扱われると、話題に。
※女性セブン2020年2月20日号