体験取材などでおなじみの『女性セブン』の名物ライター・野原広子(オバ記者・62才)が、世の中を騒がせる出来事について、思いのままを綴る。今回のテーマは「国ごと流行り病にかかっているようだけど、こんな時こそ…」だ。
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来る日も来る日も、テレビをつければ新型コロナウイルスのニュースだ。2月11日現在、特効薬はまだない。
WHO(世界保健機関)によれば、ウイルスの潜伏期間は1~12.5日間(多くは5~6日間)で、感染者は14日間の「健康状態の観察」をした方がいいとされている。
ウイルスが体内のどこかに静かに潜んでいることを想像するだけでも不気味だけど、もっと怖いのが「無症状病原体保有者」よ。今回のウイルスは、発熱や下痢などを発症しなくても感染していることがあるというから、ますます不安になっちゃう。発症しなかったら、誰でもふだん通りに外出して動き回るから、知らずにウイルスがばらまかれるかもしれないじゃない!
それにしても、横浜港・大黒ふ頭沖に停泊している「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗船者はかわいそう。乗客乗員約3700人のうち、延べ439人が検査を受け、感染者は計135人(2月10日現在)。船上の人たちが毎日どんな気持ちで水面を見ているのか。想像しただけで気の毒でたまらない。
実は私、20代半ばから、船旅の“退屈を楽しむ”に憧れていて、何度か海外の定期路線船に乗船したことがある。豪華客船にも取材で2度乗っている。その時の経験でいうと、見た目は「海上のホテル」でも、客室の廊下って、すれ違いざまに咳をされたら、体のどこかに飛沫がかかるくらい狭いんだわ。食事はたいがいブッフェ形式だから、皿を手にして人気メニューに人が押し寄せて、押すな押すな。乗船者同士、“濃厚接触”しない方が難しい環境だ。
ある豪華客船では、乗船と同時に麻雀ルームが予約で一杯になるとか。でも今回のように、一切の気晴らしが禁じられたら…。下船した人は「刑務所と同じ」と言ったそうだけど、その気持ちはよくわかる。
国交省によると、2月中に日本に立ち寄る大型クルーズ船は、新型コロナウイルスの感染が疑われる外国人が乗船している香港発の「ウエステルダム号」のほかに4隻。そのうち外国船籍が2隻、日本船籍が2隻だそう。そのたびに今回のような混乱を繰り返すのかしら。
政府は「日本に入国する直前2週間以内に、感染の発生源といわれている中国湖北省に滞在歴のある外国人は、新型肺炎の症状がなくても入国を拒否する」という判断を下した。特定地域を指定した入国制限は今回が初めてで、既に「ウエステルダム号」の入港を拒んでいる。
厚労省のホームページには、「国民の皆様へのメッセージ」と題して、次のような記載がある。