「愛子さまが大学に入学され、将来のビジョンを固められる前の今が、議論の“最後のチャンス”というタイミングでした。しかし、安倍官邸は『女性天皇』の実現についての議論をする気はさらさらないようです。日本の皇室の将来を左右する重要課題に取り組もうとしない、そんな怠慢がまかり通っていいのでしょうか」(皇室ジャーナリスト)
2月1日、政府内で「安定的な皇位継承の対策案」について、議論を見送る方針であることが報じられた。つまり、女性・女系天皇の是非について、国会では話し合わないということだ。野党内でも、その消極的な姿勢に反発は少ないという。
男系男子のみが皇位継承権を持つ現行のルールでは、皇位継承者は継承順位順に秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまのお三方のみ。もし長子優先で女性天皇を認めるように皇室典範が改正されると、愛子さまが継承順位筆頭となり、「愛子皇太子」となられる。
そんな議論の“当事者”である愛子さまは、今年3月で学習院女子高等科を卒業され、大学生になられる予定だ。ご自分の将来について考えを深められ、大人への歩みを進める大事な時期でもあるだろう。
「今話し合わないのであれば、女性天皇の実現の可能性は限りなくゼロに近くなった」と官邸関係者は指摘する。
「安倍官邸は表向きには、『国論を二分する議論は避けたいから』と説明しています。
本来この議論は女性・女系天皇を認めるか否かという制度の問題です。しかし、今の時点で議論が進めば“次の天皇には愛子さまがふさわしいのか”“秋篠宮家からは天皇を出さないのか”を問うことになりかねません。
安倍総理はそうした際どい議論をするつもりはなく、“数十年後に話し合えばいい”と考えているようです」
議論が棚上げになる背景はそれだけではない。
「眞子さまのご結婚が揺れていることの影響は大きい。今後、愛子さまのご結婚相手が現れたら、その人物について問題が生じないとは言い切れない。“女性皇族には結婚リスクがある”と、制度を話し合うべき政治家が感じてしまったことが響いている」(前出・皇室ジャーナリスト)
さらに言えば、安倍官邸が「議論をしない」と決断できた理由は、皇族内にも事情があるという。
「上皇上皇后両陛下のお気持ちの中には、『愛子天皇』というお気持ちもおありだったと、官邸周辺は認識しています。美智子さまはかねてより皇族の減少を憂いておられ、女性天皇容認にも異を唱えられはしないと、官邸サイドは捉えてきたようです」(前出・官邸関係者)