国際情報

アカデミー賞『パラサイト』が描いた韓国絶望格差社会の現実

半地下で暮らす主人公一家(写真/collection christophel)

 第92回アカデミー賞で監督賞、脚本賞、国際長編映画賞、作品賞と4冠を達成した韓国映画『パラサイト』(ポン・ジュノ監督)。ソウル市郊外の「半地下」の住居に暮らす極貧の一家が、高級住宅街の豪邸に“寄生”することで起きる悲喜交々の出来事を描いた同作は、その舞台として韓国が抱える格差社会を描き出していた。

 ソウル市在住のジャーナリストで「コリアン・ポリティクス」編集長の徐台教氏が語る。

「韓国に半地下の部屋ができたのは1968年の北朝鮮工作員による青瓦台襲撃未遂事件がきっかけです。これを受け、北朝鮮との全面戦争に備えて住宅に防空壕用の地下室が多く設置された。1980年代以降、この地下部分が住居として貸し出されたことで、各地で『半地下の住人』が誕生しました」

 2015年の韓国政府統計では、36万4000世帯が「半地下」に住んでいるというデータがある。

「小学校の入学説明会では、父兄は校区にあるマンション別に並びます。『Aマンション』『Bマンション』といった具合に。では半地下住人はどこに並ぶかというと、同じ集合住宅に住んでいても、『その他』の列になる。教育現場でこのようなことが行なわれている」(徐氏)

 苛烈な学歴社会で知られる韓国では、有名大学を出て財閥企業に入ることがサクセスストーリーといわれるが、貧困層はそのスタートラインに立てないことも珍しくないという。徐氏が続ける。

関連記事

トピックス

明るいご学友に囲まれているという悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さまのご学友が心配する授業中の“下ネタ披露” 「俺、ヒサと一緒に授業受けてる時、普通に言っちゃってさぁ」と盛り上がり
週刊ポスト
「大宮おじ」「先生」こと飯田光仁容疑者(32)の素顔とは──(本人SNS)
〈今日は〇〇にゃんとキスしようかな〉32歳無職が逮捕 “大宮界隈”で少女への性的暴行疑い「大宮おじ」こと飯田光仁容疑者の“危険すぎる素顔”
NEWSポストセブン
TUBEのボーカル・前田亘輝(時事通信フォト)
TUBE、6月1日ハワイでの40周年ライブがビザおりず開催危機…全額返金となると「信じられないほどの大損害」と関係者
NEWSポストセブン
インド出身のYouTuberジョティ・マルホトラがスパイ容疑で逮捕された(Facebookより)
スパイ容疑で逮捕の“インド人女スパイYouTuber”の正体「2年前にパキスタン諜報員と接触」「(犯行を)後悔はしていない」《緊張続くインド・パキスタン紛争》
NEWSポストセブン
ラウンドワンスタジアム千日前店で迷惑行為が発覚した(公式SNS、グラスの写真はイメージです/Xより)
「オェーッ!ペッペ!」30歳女性ライバーがグラスに放尿、嘔吐…ラウンドワンが「極めて悪質な迷惑行為」を報告も 女性ライバーは「汚いけど洗うからさ」逆ギレ狼藉
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
小室眞子さん第一子出産で浮上する、9月の悠仁さま「成年式」での里帰り 注目されるのは「高円宮家の三女・守谷絢子さんとの違い」
週刊ポスト
田中圭の“悪癖”に6年前から警告を発していた北川景子(時事通信フォト)
《永野芽郁との不倫報道で大打撃》北川景子が発していた田中圭への“警告メッセージ”、田中は「ガチのダメ出しじゃん」
週刊ポスト
夏の甲子園出場に向けて危機感を表明した大阪桐蔭・西谷浩一監督(産経ビジュアル)
大阪桐蔭「12年ぶりコールド負け」は“一強時代の終焉”か 西谷浩一監督が明かした「まだまだ力が足りない」という危機感 飛ばないバットへの対応の遅れ、スカウティングの不調も
NEWSポストセブン
TBS系連続ドラマ『キャスター』で共演していた2人(右・番組HPより)
《永野芽郁の二股疑惑報道》“嘘つかないで…”キム・ムジュンの意味深投稿に添付されていた一枚のワケあり写真「彼女の大好きなアニメキャラ」とファン指摘
NEWSポストセブン
逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
《無理やり口に…》レーサム元会長が開いた“薬物性接待パーティー”の中身、参加した国立女子大生への報酬は破格の「1日300万円」【違法薬物事件で逮捕】
週刊ポスト
話題のAIビデオチャットアプリ「Castalk(キャストーク)」
「リアルだ…!」グラビアアイドル・森咲智美と2人きりで「ふれあいタッチ」も AIアバターアプリ「Castalk」を男性記者が体験してみた
NEWSポストセブン
2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン