プロ野球の南海などで活躍し、選手引退後にヤクルトなどの監督を務めた野村克也さんが2月11日に亡くなった(享年84)。ワイドショーやスポーツニュースなどで毎日のように特集が組まれ、BSやCSでも野村さんにスポットを当てた過去の番組が再放送されている。
フジテレビは16日、地上波のゴールデン帯の『日曜THEリアル!』枠で『野村克也さん追悼特別番組秘蔵映像でつづるノムさんの野球人生と家族愛』を放送した。テレビ局関係者が話す。
「ゴールデン帯でほとんどプロ野球中継がされなくなったように、地上波で野球の特集は視聴率を取れないと考えられています。今ではスポーツニュースでさえ、番組によって誤差はありますけど、野球の結果を伝える時間がどんどん短くなっている。そんな時代に、野村さんの追悼番組をフジテレビがゴールデン帯で放送すると聞いて驚きました」
同日、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』13.2%、日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』15.7%、テレビ朝日『ポツンと一軒家』18.4%という強力な裏番組がひしめく中、フジ『日曜THEリアル!』は7.5%を獲得。TBS『UTAGE愛の歌合戦』7.4%(いずれもビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)を上回り、民放同時間帯で3位に。昨年10月に始まった同番組で、4番目に良い数字だった。フジテレビ関係者にとっては「嬉しい誤算」だったかもしれない。
番組には野村監督の薫陶を受けた江本孟紀氏、長嶋一茂氏、古田敦也氏、真中満氏、高津臣吾氏、石井一久氏が出演した。
「2週間前の〈池上彰スペシャル【韓国“反日主義”の行方2020池上彰緊急取材】〉で7.6%でしたから、野村さんは野球に興味のない人をも惹き付ける魅力があると言っていい。番組では、野村さんの永遠のライバルである長嶋茂雄氏の息子である一茂氏が、同じ親子鷹である野村親子の関係性に言及したり、執行猶予中の清原和博氏からの直筆の手紙が紹介されたり、息子の克則氏(楽天コーチ)のインタビューがあったりと、見所も多かった。また、サッチーミッチー騒動の際に沙知代夫人に密着した懐かしいVTRも流れたことで、女性視聴者もチャンネルを止めたのではないでしょうか」(同前)
野球をアピールするため、監督時代には選手のテレビ出演を積極的に促していた野村克也さん。地上波で野球が取り上げられる機会が増えることを願っているだろう。