放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、1月27日から2月8日まで、ビートたけし氏、立川志らく、カンニング竹山など、芸の世界の人たちと会い続けた日々についてお送りする。
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人に会うのは楽しい。芸能もマスコミも人に会うのが仕事の様なものだ。
1月27日、浅草は東洋館にて久々にビートたけし氏と。2回目を迎えた「ビートたけし杯争奪」の漫才大会。たけし、私、ナイツが審査員。本番前、楽屋でふたりっきりでバカッ話。まさかこんな日が来るとも知らず「時代小説の『首』もいいけどさ、小説すばるにひっそり発表した。『不良』がいいネ。足立区の悪い奴らの事、あれ程詳しくリアルに書ける人間はいないネ。イヨッ、不良あがり!」なんて盛りあがっていた。
2月2日は新しくなった渋谷PARCO劇場へ。20年やって3年工事期間があって、この程めでたく再スタート“こけらおとし”「志の輔らくご」(1月24日~2月20日)。いつの時代も物ごとの始まりは“三番叟(さんばそう)”らしく、志の輔も衣裳をつけてぎこちないひと舞い。高座でも言っていたが“こけら(※漢字では機種依存文字。木へんの作りに鍋ぶたに巾)”も“かき(※きへんに市)”もほとんど同じ様な字らしい。下に付く言葉で変わるのだろうか。
下に“おとし”が付けば“こけらおとし”。下に“ドロボー”が付けば“柿ドロボー”という具合だ。ちなみに“こけらおとし”とは工事の最後に屋根などの木屑を払い落としたことから、新築劇場の初興行のことと広辞苑にある。