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気候変動は体調を左右する、気象病は寒冷前線や寒の戻りに注意

天気予報で気をつけたいキーワードは?

 年明け早々に春の嵐のような暴風が吹き荒れ、真冬なのに汗ばむような日があるかと思えば、急に寒風が肌を刺す。毎日、天気予報が見逃せない。こういった気象の変動は、少なからず心身に影響を及ぼすという。

 なんとなく体がだるい、体調が優れないといったものから、気温の変化では、脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)や心臓病(心筋梗塞、狭心症)などのリスクが高まる。また気圧の変化でも、腰痛、神経痛、尿路結石による痛みの発作、メニエール病のめまい、難聴などの発作、頭痛や吐き気を伴う緑内障発作などが引き起こされる可能性があるという。

 こうした気象病のリスクを上げる急激な気温低下、低気圧の接近などは、毎日の天気予報で知ることができる。これからの時期、気をつけてキャッチすべきキーワードを聞いた。

 気候と病気の関係を研究し、気象予報士でもある脳神経外科医、福永篤志さんはこう言う。

「体調にもっとも関連が深いのが寒冷前線です。北側の気温の低い気団が南へ移動し、暖かい気団と衝突した接触面が地上と交わる線。前線が通過した瞬間に風が北向きになり、気温が急降下します。冷たい北寄りの風に加え、雷雨やひょう、突風など激しい気象変動があります。

 また最近、よく聞かれるようになった爆弾低気圧。気象庁では“急速に発達する低気圧”と表現されるとおり、中心気圧が急降下して、通常、寒冷前線を伴い寒くなります。同じく南岸低気圧は“日本の南海上を主として東から北東に進む低気圧”で、冬にこの低気圧が発生すると、普段降らない太平洋側が大雪になることがあります。気象病とは違いますが、雪に慣れない都市部では転倒事故も多発。高齢者は、後からジワジワ症状が出て来る慢性硬膜下血腫にも注意が必要です」

 ちなみに10℃以上気温が下がると、脳卒中や心臓病のリスクが一気に上がるという。一日の最高・最低気温予報も要チェックだ。

「立春(今年は2月4日)を過ぎて、いったん暖かくなり油断していると、シベリア大陸の寒気が南下し、西高東低の冬型の気圧配置になり、冬に逆戻りしたような寒さになることがあります。

 寒の戻りともいわれ、3月、4月でも大雪が降ることも。防寒が疎かになっていることもあり、気温差のストレスも増大。風邪もひきやすく、くも膜下出血などが発症しやすいという報告もあります。

 一日のうちの最低気温は、通常早朝です。日中ポカポカする春先は、昼に地面が吸収した熱が夜中に上空に放散し、朝方にグッと冷え込む放射冷却が起きやすくなります」

イラスト/鈴木みゆき

※女性セブン2020年2月27日号

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