五輪男子マラソン代表「最後の1枠」を目指す選手が集う東京マラソンが、3月1日に迫る。その前日に発売されるのが、ナイキ製“厚底シューズ”の新モデル「エアズームアルファフライネクスト%」だ。1月下旬には、“記録が出すぎて使用禁止”が取り沙汰されたが、状況は一変。
「ナイキの情報収集力には驚かされた。『厚さ40ミリ以下』などと定めた新規則を世界陸連が発表したのが1月31日。その5日後には新規則ギリギリの厚さ39.5ミリの新モデルを発表した」(スポーツ紙デスク)
これで、「東京五輪はナイキの一人勝ち」とみるのはスポーツライターの酒井政人氏だ。
「他メーカーには、『レース4か月前から市販されている』という新規則が難題。ナイキはこれまでも市販品を選手に提供してきたが、他メーカーは別注のカスタムシューズを用意してきた。医学的理由以外で別注が新規則で認められるのかは難しいところ。ナイキに変える選手がさらに増えるのではないか」
3月1日の東京マラソンには、大迫傑、設楽悠太、井上大仁といった有力選手が出場予定だが、いずれもすでに厚底シューズを使用。
「注目は彼らが現行モデルを使うか、新モデルで走るか。契約選手には1月に新モデルが配布されたとみられる。今まさに、どちらが速く走れるか比較しているでしょう」(同前)
現行モデルはピンクなどの色使いの一方、新モデルは黒とグリーン。今度は「厚底か」ではなく、「何色の厚底か」に関係者の興味が集中しそうだ。
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号