五輪代表争いに思わぬ横やりが入った。新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、米女子プロゴルフ協会(LPGA)は10日、ホンダLPGA(20日開幕=タイ)とHSBC女子世界選手権(27日開幕=シンガポール)の中止を発表した。両大会には畑岡奈紗(21)、渋野日向子(21)が参加予定だった。
「渋野にとって五輪代表入りを確実にするために大事な2大会だった。現時点で世界ランク4位の畑岡、11位の渋野、13位の鈴木愛(25)は出場枠を獲得できる位置にいるが、誰かが15位以下に落ちた場合、日本人の出場枠は上位2人だけになる。
そのため、渋野は世界ランクのポイント加算が大きい米女子ツアーに出場し、ランクを上げて鈴木を引き離しておきたかった。1月27日からは青木翔コーチらとタイで10日間の合宿を行ない、米ツアーの高温多湿の環境に慣れる練習をしていた。ツアー中止で、渋野は予定を変更して地元・岡山での調整を余儀なくされている」(ゴルフ誌記者)
一方の鈴木は国内開幕戦のダイキンオーキッドレディス(3月5日~沖縄)に照準を合わせて米・アリゾナで調整中。両者は同大会で直接対決することになる。プロゴルファーの沼沢聖一氏が語る。
「万全の状態で開幕戦に臨む鈴木に比べ、渋野が出鼻をくじかれた感は否めない。しかし、代表が決まる6月29日の世界ランク発表まで、まだ時間は十分ある。しっかり気持ちを立て直して戦ってほしい」
新型肺炎はシブコスマイルにも影響を及ぼしかねない。
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号