今年4月に「改正児童虐待防止法」と「改正児童福祉法」が施行され、体に苦痛や不快感を与える罰は、たとえ、しつけのためでも禁止となる。そこで、これまで“しつけ”だと思ってやっていたことが、果たして正しかったのか、専門家に意見を聞いた。
◆乳幼児にはしつけより安心感を与えよう
「子供にとって睡眠時間の確保は大事だと思うんです。でもうちの子(3才)は21時を過ぎても遊びに夢中。万策尽きて、“寝ないとお化けが来るゾ~”と脅したら、効果てきめん。泣きながら布団に飛び込んでくれました」(38才・パート)
これに対し、“子ども心理”に詳しい山梨県立大学教授の西澤哲さんは、「恐怖心を与えるのは逆効果」だと言う。
「乳幼児は、怖いときや悲しいとき、親に抱きしめられることで安心感を得ます。その積み重ねで親子の結びつきは強くなり、ひいては他人を尊重できる、自立した人間に育つのです」(西澤さん・以下同)
本来、安心できる存在である親が恐怖の対象になるのは、本末転倒。生活態度を正すことも大事だが、乳幼児期はおおらかに接することの方が何より大事だという。
「“ベッドで本を読んであげるよ”など、一緒に触れ合いながら、やるべき行動に促すのがおすすめ。親への信頼感が培われれば、やがて子供は親が喜ぶことをしようとしますから」
イラスト/こさかいずみ
※女性セブン2020年3月5日号