定期健診や人間ドックなど検査を受ける病院を選ぶ上で、「同じ病院で受け続けたほうがいいのか」という疑問があるだろう。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師がいう。
「血液検査は、過去の数値を知っている医師に結果を見てもらうほうが、自分に適した診断をしてもらいやすい。初見の医師の場合、どうしても杓子定規に基準値だけで判断してしまう。過去に受診し、毎年の数値の変化を見る医師なら、仮に異常値が現われたとしても、すぐに治療に入るほうがいいのか、様子を見るほうがいいのかを総合的に判断できます。
ただし、総合病院の場合、外来の主治医が他に移っていたり、医局から派遣されてきた若い医師に任されたりで、前回と同じ医師に診てもらえるとは限らない。血液検査は『かかりつけ医』に継続して診てもらうのが良いのではないでしょうか」
一方、CTやMRIなどの画像診断は、検査を行なった病院から画像を受け取り、別の病院で「セカンドオピニオン」を取ることで、より精度を高められる可能性がある。画像診断に詳しい、霞クリニック院長の北村直幸医師が話す。
「受診者は、検査データやCT、MRIなどの画像を受け取る権利があります。『渡せない』という病院は、診断に自信がない証拠。画像を提供してくれるかどうかも、信頼できる病院選びのひとつの判断基準になると思います」
自分にとって最善の検査をしてくれる病院を見極めることが、病気を早期発見し寿命を延ばすうえで重要になる。
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号