今年4月に「改正児童虐待防止法」と「改正児童福祉法」が施行され、体に苦痛や不快感を与える罰は、たとえ、しつけのためでも禁止となる。以前は“愛のムチ”として当たり前だったちょっとした罰も、今後は体罰として法律で禁止されるものとなるのだ。
時代とともに変わってくるのが子供へのしつけというもの。体罰の問題だけでなく、親がついついやってしまう行為が、子供へ悪影響を与えている可能性も否定できない。
◆気づかないだけで不安を感じているかも
「3才の息子が寝た後に家事をするのが日課です。時には、寝ている息子をひとり家に残し、ゴミ捨てに走ることも。ヒヤヒヤしながらやっていますが、問題は起きていません」(29才・主婦)
“子ども心理”に詳しい山梨県立大学教授の西澤哲さんは、「子供の年齢や性格、安全が確保された環境かにもよりますが」と前置きした上でこう話す。
「例えば、『2才の頃、親が目を離した隙にひとりで家を出て保護された』という経緯があるのに、5分とはいえひとりで留守番をさせるのは、危険です」(西澤さん・以下同)
そういう経緯がなくても子供が寝ているからと家を空けたとき、どんなことが起こりうるかは想像すべきだという。
「もし子供が目を覚まし、親がいないことに気づいたら、子供は不安感にさいなまれます。平然として見えても、子供の心は傷ついているかもしれないと覚えておきましょう」
母親はとにかく忙しい。寝ている時間を活用したいのはわかるが、常に最悪の事態を想定し、子供の心のケアは怠らないようにした方がいい。
※女性セブン2020年3月5日号