大人気となっている「高級食パン」。専門店では長蛇の列ができたり、開店と同時に売り切れたりと、とにかく大ブームとなっている。
多くの高級食パンは、切られていない1本(2斤分)の状態で販売される。この食パンを最後までおいしく食べるコツはあるのだろうか? 『考えた人すごいわ』など多くの高級食パン専門店をプロデュースする岸本拓也さんは、こう話す。
「ぼくがプロデュースする食パンはほのかな甘みや口溶けが持ち味なので、まずは焼かずに、生食で味わってほしいんです」
また、パンコーディネーター・ひのようこさんはおいしく食べるための秘訣をこう語る。
「既成サイズにとらわれず、いろんな厚みで食べるのもおすすめです。そこで重要なのが、切り方。最近は、やわらかいパンを上手に切ることができるグッズもいろいろ出ていますよ」
そんなひのさん流の上手なパンの切り方は、以下の通り。
【1】切りたい厚みの奥と手前の角にパンナイフで切り込みを入れる。
【2】その角と角をつなぐように刃をまっすぐ当て約5mm切り込みを入れる。
【3】手前の側面が上になるようパンを90度回転させ、同じ幅で手前角に切り込みを入れる。
【4】 【3】の切り込みと【1】の手前の切り込みをつなげ、【2】で入れた線をガイドに切ると、きれいな断面に。パンの幅より長いナイフを使うのもコツ。
一方、岸本さんはこう話す。
「トーストにして食べるなら、焦げ目がつくかつかないかくらいで、中はもちもち、外はサックリの炙り焼きにするのが、ぼくのおすすめです」(岸本さん)
ちなみに、岸本さん流の炙り焼きトーストは、
【1】3cm厚で切った食パンをアルミホイルで包む。
【2】予熱で温めたオーブントースターに5分入れて温める。
【3】アルミホイルをはずし、1分加熱して軽く焼き目をつける、という方法だ(冷凍した食パンなら【2】の温め時間を10分に延ばす)。
トーストにする場合は、水分を保つことが大切なので、密閉型1枚焼きトースターなどを活用する方法もある。
◆保存は1枚ずつ ラップ&冷凍!
「保存するなら1枚ずつラップで包み、冷凍保存袋に入れ、空気を抜いた上で冷凍し、水分の蒸発を防ぎましょう」(岸本さん)
冷凍前にあらかじめ食べやすい厚みに切り分け、冷凍後は解凍せず焼くのもおすすめ。
「高級食パンは甘みがあるものが多く、塩味のある納豆やきんぴらなど和の総菜や鍋ものとも実はよく合いますよ」(ひのさん)
高級食パンは贈って喜ばれ、もらってもうれしい小さな贅沢。ぜひ、あなた好みを見つけてほしい。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2020年3月5日号