2月21日の夜9時。3連休を控えた週末の夜、中居正広(47才)は都内繁華街の和食系居酒屋にいた。産地を厳選した肉や減農薬の野菜を使うなど、素材にこだわるその店の個室には、中居のほか、15人ほどのテレビ局関係者が集っていた。
「夜7時から収録が行われていた『ニュースな会』(テレビ朝日系)の打ち上げでした。中居さんは、収録の前に会見まで行っていて疲れているはずなのに、“こんな日だからこそ決起集会を開こう”とスタッフを誘ったそうです。お会計は中居さんが持ちました」(テレビ朝日関係者)
その日、中居は夕方4時から、ジャニーズ事務所退所に関する記者会見を開き、個人事務所「のんびりな会」を設立したことを発表した。会見時間は1時間50分。司会進行も中居が務め、そのMC力、トーク力を発揮した。
「中居さんが会見で取材に応じたのは5年ぶりで、SMAP解散後は初めて。記者には聞きたいことがたくさんありました。中居さんは、その思いに応えるよう、どんな質問にもNGを出さず丁寧に答えました」(テレビ局関係者)
週末に情報番組の生放送がある東山紀之(53才)への報告は一人二役で再現シーンを演じ、同じく情報番組に出演する城島茂(49才)への連絡は「忘れた」と笑いを起こす場面もあった。会見後半では報道陣に、ポケットに忍ばせていたジャニーさんの遺骨を見せた。
「滝沢秀明さん(37才)にお願いして手に入れたと彼を立てつつ、遺骨を見せることで、“ジャニーズ愛”を示した形です。報道陣は中居さんのジャニーさんへの思いを再確認し、“ジャニーさんが寂しくなるのでは?”と聞けなくなってしまった」(芸能関係者)
ジャニーズ事務所との関係が良好なことは、会見からも明らかだった。
「独立のタイミングも絶妙でした。(稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の)3人と同時に辞めていたら、どうしても木村拓哉さん(47才)対4人という構図になってしまう。それを避け、3年かけて古巣への義理も恩も返しきり、ジャニーさんをしっかり見送って年があらたまったタイミングですから、批判のしようがないです」(前出・テレビ局関係者)
芸能事務所関係者も、中居の会見をこう評価する。
「深刻に思えた独立会見を人のよさとサービス精神で、笑いに溢れたアットホームな会見にしました。マスコミさえ味方につけてしまう中居劇場で、完璧な記者会見でしたね。まさに“円満退所”を印象づけた形になりました」
会う人を「中居ファン」に変えていくその天性の才能は、普段の仕事にもにじみ出ている。前述の打ち上げでもそうだった。