猛威を振るう新型コロナウイルス。マスクやアルコール消毒液は品切れとなり、感染対策もままならない状態である。そんな状態でどういった対策方法が取れるのだろうか。秋津医院院長の秋津壽男さんは「物理的にウイルスの感染源を断つ工夫をすることが重要」と語る。
「ウイルスは咳やくしゃみなどによる飛沫感染だけでなく、手から侵入するケースも多い。例えば電車やバスでは、ウイルスのついた吊り革を触り、その手で目や口など粘膜を触ることで接触感染することがあります」
そうした事態を避けるために有効なのが、吊り革にすっぽり被せて直接触れないようにする「携帯グリップ」だ。
秋津さんも「手袋をするように、直接の接触を防げるためにウイルス遮断に効果的だ」と言う。さらに秋津さんは、「コンタクトレンズよりもメガネにする方が得策」だと話す。
「コンタクトレンズは目に直接触れるため、着脱の際などに粘膜から感染する危険性が高まります。メガネであれば無意識に目を触ることもなくなるでしょう。また、ウイルスの感染経路の1つである飛沫感染を、メガネがガードすることにもつながります。花粉などの対策用でこめかみ部分まで覆うメガネもありますが、ウイルスは花粉のように空気中から直接目に入るわけではないので、通常のメガネで充分でしょう」
また、意外にも気をつけるべきなのは、「ゴミ箱」だという。米ボストン在住の内科医、大西睦子さんは「ウイルス対策には蓋つきのゴミ箱が理想的」と語る。
「咳やくしゃみをするときに口を覆ったティッシュやマスクをゴミ箱に捨てると、そのウイルスがそこから浮遊します。蓋のないゴミ箱ではそのウイルスの浮遊を防ぐことができません。浮遊したウイルスが周囲に付着し、感染につながる恐れがあるのです」
実際、医療現場では蓋つきのゴミ箱が常識だという。
※女性セブン2020年3月12日号