新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本中でマスク着用を絶対とする空気が強まっている。ショッピングモールなどを運営するイオンは昨年末に身だしなみルールの一環として、従業員のマスク着用を「原則禁止」とする通達を出したが、状況は一変している。
「感染者が発生した地域などでは、マスク着用を義務づけている店舗もあり、それぞれの地域や店舗によって臨機応変に対応しています。社外の商談に関しては、個々の判断に任せています」(イオン・コーポレートコミュニケーション部)
こうして企業の方針を一変させるほどの影響力が出ているわけだが、なかでも慎重にならざるを得ないのが、天皇と接する人々のはずだが、実態はどうか。
一般参賀が取り止めとなるなか2月23日の天皇誕生日の会見に臨んだ記者が語る。
「とくにマスク着用を求められることはなく、天皇陛下が目の前にいるのに、ほとんどの記者がマスクをしていなかった。会場の入り口にはアルコール消毒がありましたが、これも使用するかどうかは個々の判断。
宮内庁職員のなかにもマスクをしていない人がいました。もちろん、“陛下の前でマスクは失礼では”という遠慮もあったとは思うのですが……」
宮内庁に聞くと、こう回答した。
「職員全体に対しては、マスク着用を励行し、手洗いを徹底するよう指示しています。とくに皇族の身の回りのお世話をする侍従などの『側近部局』は、いっそう気を使っていることは間違いありません。
もともと側近部局の者は、少しでも体調が優れなければ職務を休むという決まりがあります」(総務課報道室)
※週刊ポスト2020年3月13日号