芸能

『麒麟がくる』の複雑な人間関係、5分でわかる解説

物語の主人公は明智光秀(長谷川博己)。美濃を治める斎藤道三に仕えている(写真提供:NHK)

 NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』は、主人公・明智光秀の“謎に包まれた前半生”に焦点を当てている。2月までに放送は6回を数えたが、耳慣れない登場人物名が続き、その複雑な関係性に戸惑う視聴者も多いかもしれない。歴史作家の島崎晋氏が解説する。

 * * *
『麒麟がくる』が面白い。番組ホームページも充実していて、大河ドラマ好きとしてはありがたい限りだが、登場人物が多く、物語も京から美濃、美濃からまた京へと舞台が飛び飛びなので、少々混乱している人もいるかもしれない。ここではそんな読者のために基礎的なところを整理しておこう。

 ときは戦国時代。室町幕府が存在するとはいえ、その支配は後の江戸幕府とは比較にならないほど形骸化していた。江戸幕府と同じく全15代を数えながら、3代・足利義満を頂点として将軍の権勢は弱まるばかり。幕府の実権は将軍の補佐役である「管領(かんれい)」や都である京周辺の治安を司る「侍所頭人(さむらいどころとうにん)」の手に移っていった。

 地方に目を転じれば、「守護(*注1)」や「守護代(*注2)」による支配から、戦国大名による領国支配へと変化した時期でもあった。ドラマ第6回までに登場した人物では、美濃の斎藤道三(本木雅弘)、尾張の織田信秀(高橋克典)、今川義元(片岡愛之助)が挙げられる。

【*注1:守護/室町時代には一国全体の支配権を確立した。守護大名とも】【*注2:守護代/数か国を兼ねる守護が任国の管理のために派遣する家臣】

本木雅弘が演じる斉藤道三。親子二代で美濃一国を手中に(写真提供:NHK)

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン