ほんの少しの体調不良でも、「念のため」「万が一のことがあったら」と、病院へ行く人も多いだろう。しかし、病院で受ける医療行為や検査の中には、意味がないものや、症状が悪化するものもあるというのだ。一体、自分にどの医療行為・検査が必要なのかを、しっかりと知っておくべきだろう。
◆乳がん検診 40代未満には効果なし
乳がんの罹患リスクが急激に増えるのは、更年期を迎える40代後半以降だ。医療ジャーナリストの増田美加さんは「罹患リスクの低い若い世代は、検診を受けるべきではない」と話す。
「何も症状がない30代以下の人が、マンモグラフィーや超音波(エコー)などの乳がん検診を受けたことで、要精密検査となることが少なくない。すると、乳房に針を刺して細胞や組織を採取するといった大がかりな精密検査を受けることになる。がんではない確率が高いにもかかわらず、精神的、肉体的、経済的なダメージを負います。マンモは放射線被ばくのリスクもある」
◆子宮体がん検診 子宮内部に傷がつく恐れあり
国立がん研究センターの中山富雄さんは「必要ない検診」と話す。
「子宮体がんの検査は、子宮の奥まで器具を挿入して、子宮内部全体の細胞を採取するので、出血もあるし、子宮に傷をつけるなどのリスクもあります。子宮体がんは生存率が高く、不正出血の症状が出てから病院へ行っても生存率はほぼ変わりません」
増田さんも続ける。
「子宮体がんの検査は痛みを伴うので、経腟超音波検査などを行い、子宮内膜が厚くなっているなどの所見があり、医師から必要があると言われたら受けるべき」
※女性セブン2020年3月12日号