世界規模で増え続ける新型コロナウイルスの感染者。もはや街中に、感染リスクが潜んでいると考えて生活すべきだ。そんななかで、どうやって感染リスクを下げればいいのだろうか──。
◆電車内「どこにいるか」でリスクは大きく違う
不要不急の外出を避けるよう政府は要請するが、ずっと家の中というわけにもいかない。
「困るのは通勤に欠かせない電車です。マスクはしていますが、それだけで充分なのか、少しでも感染リスクを減らしたいのですが、車両のどこにいれば最も感染しにくいのでしょうか」(30代OL)
秋津医院院長の秋津壽男さんは「顔と顔との距離がポイント」と指摘する。
「できるだけほかの乗客の顔と向き合わないこと。そして距離をキープすることが大事。隣同士なら顔は向き合わないし、ボックス席なら距離が開くので、できるなら座りたい。満員電車で立つ場合は顔の向きに注意し、ドアや連結部分の近くへ。空気の入れ換えができてウイルスが散らばります」
健和会大手町病院感染症内科部長の山口征啓さんが続ける。
「他人との距離を1~2mあけるのが予防の原則なので、それを意識してください。できれば時差出勤などで混雑を避けてほしい」
◆電車とバス、乗るならどっち?
ラッシュアワーに利用するなら「電車よりバス」と言うのは秋津さん。
「都心などの通勤時間帯、バスには定員があって乗れなければ次便に回しますが、電車はぎゅうぎゅう詰めで乗車率が200%にもなる。当然、感染リスクは高くなります」
ただし、バスも長い間乗車するとリスクが増していく。
「閉鎖された空間に長くいるほど感染する確率が高くなるので、観光バスや長距離バスは感染リスクが高い」(秋津さん)
ちなみに飛行機の機内は換気が良好で、意外と感染リスクが低いのだとか。
◆感染例が多いタクシーは利用すべきではない?
中国人観光客を乗せた運転手の感染などが相次いだタクシーは、狭い車内だけに感染リスクが高くなる。
「タクシーのような閉鎖空間では空中を舞うウイルスがマスクの横のすき間から侵入する恐れがあり、マスクでは防ぎきれません。窓を少し開けて換気することをおすすめします」(山口さん)
車内での振る舞いにも注意。
「シートベルトを締めたら、極力座席などに触らないこと。また、コートや上着を脱ぐと座席やドアなどウイルスが付着している恐れがある場所を触ってしまうので、気をつけてください」(秋津さん)
車内では窓を開けてじっとしているのが得策だ。
◆電車やバスに乗ったら何に注意すべき?
乗り物に共通する注意点は「手すり」や「つり革」など、むやみやたらに触らないこと。坂根Mクリニック院長の坂根みち子さんが解説する。
「もし触った場合、その手で顔を触らないこと。ハンカチを使って手すりやつり革に触るのはアリですが、使用後に接触面を触ってしまったら同じことです。一度使ったハンカチは、汚れた面を包んで触らないように」
※女性セブン2020年3月19日号