大迫傑選手が3月1日の東京マラソンで日本新記録を出した際に履いていたことで注目されたナイキ社製の新作厚底シューズ「アルファフライネクスト%」。世界陸連が定めた「靴底の厚さ40ミリ以内」という条件をクリアした「厚さ39.5ミリ」の商品で、3月1日から一般向けにも“限定販売”されている。ナイキの厚底はそのお値段の高さからも市民ランナーの憧れになってきたが、この新製品をめぐっては違った受け止め方も広がっているようだ。ある中堅市民ランナーが言う。
「ずっと厚底に憧れていたので新作を買おうと思ったら、フルマラソンで2時間50分以内の記録が必要で、力及ばず。中古を探したら、人気のサイズはネットオークションやフリマアプリで10万円前後でした。新作が出てこんなにがっかりするのは初めてですよ」
記録要件が発表されたのは2月。ナイキのランニングアプリで42.195キロのタイムを測定し、2018年2月27日~2020年2月27日までに、規定タイム(男性2時間50分以内、女性・3時間40分以内)を切った人のみがアプリを通じて先着順で購入できるという“厳しい”制限が付いた。
前身モデルの「ヴェイパーフライネクスト%」にエアー機能などを追加した「ハイブリッドな高価格帯のシューズ」(卸売業者)で定価は3万3000円(税込)だが、記録要件を付けることでプレミアム感を狙ったため、いまや転売ヤーの餌食になっているのだ。たしかに、フリマアプリを見てみると、26.5センチで19万円、26センチで9万5000円、31センチで7万円など数倍の値段が付いている。