デマに惑わされず、自分と家族を守るためには、新型コロナについて正確な情報を知っておくことが不可欠だ。名古屋市衛生研究所の微生物部部長・柴田伸一郎氏は猛威を振るう新型コロナウイルスと最前線で戦っている。勤務先の衛生研究所には、新型コロナの疑いがある人々の検体が日々送られてきており、微生物部部長である柴田氏の指揮の下、検査が行なわれている。以下、家庭での感染予防について、解説してもらった。
Q【うがいと手洗い、どちらを先にすべき?】
新型コロナは20~30分で肺の細胞に入り込みます。そんなに頻繁にうがいすることは難しいので、外出しているうちにウイルスが体内に侵入しているケースが多く、帰宅後にうがいしてもあまり効果は期待できないでしょう。それに比べて手洗いはウイルスを除去する効果が大きい。新型コロナウイルスがまとう脂質性の膜は、石鹸やアルコール消毒で簡単に破壊できるので、手洗いを優先しましょう。
Q【タオルは1回ごとに交換すべき?】
しっかりと石鹸で手を洗えていれば、毎回タオルを交換する必要はありません。ただし、家族であっても他人が利用したタオルはウイルスがうつる恐れがあるので使わないほうがいい。家庭内感染を避けるには、それぞれタオルを分けるべきです。
Q【ハンドソープのポンプにウイルスは付着していない?】
手洗いをする前にポンプにウイルスが付着していて、そこを触ることでウイルスがうつる可能性はもちろんあります。ただし、実際にはその後すぐに付着した部位をハンドソープで洗うので、ウイルスを除去できます。
Q【衣類に付着したウイルスは洗濯したら消える?】
洗剤の主成分である界面活性剤が新型コロナの脂質性の膜を破壊するので、洗濯をすればウイルスはなくなります。