レバノンに不法出国した日産元会長のカルロス・ゴーン氏が、金融商品取引法違反などで逮捕・起訴された事件について語ったインタビュー本が刊行されることになった。
タイトルは『「深層」カルロス・ゴーン氏との対話 起訴されれば99%超が有罪になる国で』(小学館)で、4月15日刊行が予定されている。聞き手・著者は元特捜検事の郷原信郎氏。
郷原氏は昨年11月から12月にかけ10時間以上のインタビューを行ったが、ゴーン氏の出国により出版計画が白紙になっていた。その後、郷原氏はレバノンのゴーン氏とテレビ電話で連絡を取り、「それまでに行ったインタビューの内容は、すべて自由に使ってもらっていい。必要であれば追加のインタビューにも応じる」との了承を得た。その後、数度の追加取材を行い、刊行の運びとなった。
ゴーン氏は同書の中で、自身の出国についてこう語っているという。
「成功の確率については、計画時にはもちろん100%成功させるという計画を立てたが、計画を立てた段階で予想できない事態が最後の最後に起きることもあることを考慮に入れると75%の成功率。しかし、裁判がいつ行われるかについて全く先行きが見えなかったこと、そして、公平な裁判が受けられる可能性が全く見えてこなかったことから、私はこのリスクをとった」
ゴーン氏は日産や検察の事件への関与について実名を挙げて証言しており、同書の刊行が、日本政府によるレバノン政府との引き渡し交渉、5月に予定されるグレッグ・ケリー前日産代表取締役の公判にも影響を与える可能性がある。