「何度経験しても、やっぱり開幕前は緊張しますね。自分のボールはまだ通用するのか。打者を抑えられるのか。そんな自問自答の繰り返し。ただ、今年は肩やひじに痛みがないですから……体に不安がないのは心強いです」
福岡ソフトバンクホークスの和田毅は、プロ18年目を迎える心境をそう語った。2月に39歳になったチーム最年長左腕は今季、ケガからの完全復活を目指す。
2年前のキャンプ中に左肩痛を発症。1年半のブランクを経て、一軍のマウンドに戻ってきたのは昨季の交流戦の時期だった。シーズンでは4勝をマーク。巨人と対戦した日本シリーズ第4戦で先発し、チームが日本一3連覇を決めた試合で勝利投手となった。今季は「シーズンを通して先発ローテーションを守りたい」と目標を掲げる。
「具体的には20~25試合は登板したい。そのためには、まず先発ローテの座を勝ち取る必要がある。自主トレ、キャンプではそのための準備ができたと思います」
投手王国と言われるホークスにおいて、和田の存在は際立っている。今、30代の日本人投手は和田の他に、ともに30歳の岩嵜翔と嘉弥真新也の2人しかいない。和田は、1人の投手としてチームに貢献することだけでなく、若手主体の投手陣のまとめ役としても期待されている。今年のキャンプでは、千賀滉大や石川柊太といった一軍主力投手陣の輪の中心に和田の姿があった。