その日、安倍晋三首相“御用達”の都内高級ホテル「ニューオータニ」の一室は、人々がもみ合いになり怒号が飛び交う大混乱だったという。
河井案里参議院議員(46才)の公設秘書や、夫で前法務大臣の河井克行衆議院議員(57才)の政策秘書ら3人が公職選挙法違反の疑いで逮捕された3月3日の夜、広島地検特別刑事部の捜査の手は河井夫妻にも及んでいた。
「広島地検は、夫妻の関与を疑い、“潜伏先”であるホテルの一室を深夜12時前に急襲し、家宅捜索した。口論の末にもみ合いになり、克行氏は“足をけがした”と、翌朝、病院で治療を受けたそうです。
驚くことに持ち物検査の際、案里氏が“何か隠しているのでは”と疑われ、ほぼ全裸にさせられたという話が出ています」(自民党関係者)
逮捕された3人の秘書らには、昨年7月の参院選でウグイス嬢14人に公職選挙法上の上限の倍額にあたる日当3万円を支払った疑いがある。一部のウグイス嬢は報酬額をスマホのLINEで伝えられており、広島地検は鍵となる夫妻のスマホ押収のため強制捜査に踏み切った。
「地検は『家宅捜索令状』と、衣服のポケットなどを調べる際に必要な『身体検査令状』を持って捜査に臨んだそうです。検事は部屋のチェーンロックを切ろうとしたとか、案里氏の生理用品まで調べたという話もあります」(前出・自民党関係者)
屈辱的な“全裸捜査”の末に夫がけがまでさせられたのであれば、案里氏は「悲劇のヒロイン」そのもの。しかし、捜査関係者は首をかしげる。
「いくら令状があっても、チェーンロック切断などの手段をとるでしょうか。ましてや、現段階では被疑者ではない国会議員に対して服を脱がせるような手荒な真似を検察がするとは到底思えません」
国会の会期末である6月までは、夫妻には不逮捕特権が保障されている。一方、広島地検は逮捕に向けて気合充分で、用意周到に証拠固めを図っていると考えられている。
「それほどの姿勢ですから、多少の強硬な捜査はあったのかもしれません。ですが、以前から案里氏は話を大きく吹聴しがちともいわれていました。『身体検査令状』が出されたのをいいことに、“裸にされた”と言い張ったのでは、と訝しがる人もいます。“調べるなら好きにしろ”とばかりに、案里氏が自分で脱ぎだしたのが本当のところではないか」(別の自民党関係者)
捜査について案里氏の事務所に尋ねると「一切わかりません。何もお答えできません」と答えるのみだった。
案里氏は悲劇のヒロインなのか、単なるお騒がせか──。
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号