画像診断のCT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)は人間ドックや精密検査などで使用されることが多いが、細かいところまで鮮明に見える高スペック機器が登場するなど、性能面の進化がみられる。
画像診断専門クリニックである霞クリニックの島村泰輝医師が言う。
「CTの検出器は『列』で数えますが、最初は1列しかなく、1度の稼働で1枚の画像しか撮れませんでした。検出器が増えれば一度に撮れる範囲が増えるので、1990年代には4列CTが開発され、2000年代に入ると16列、32列、128列、256列と列数が伸び、今は320列まできています。これはつまり、1度CTを稼働させるだけで、320枚もの人体の輪切り写真を撮影できることを意味します」
MRIでも画質の向上が目覚ましい。
「MRIの歴史は画質との戦いで、強い磁場ができればそれだけ画質が上がる。磁力線の束の密度は『テスラ』という単位で表わしますが、昔は永久磁石を使って0.2テスラや0.3テスラがせいぜいでした。それが今は1.5テスラ、3.0テスラのMRIが開発されています。
1.5テスラと3.0テスラでは診断能に差がなかったという論文も出ていますが、脳の血管は明らかに3.0テスラのほうが鮮明に、細かいところまで見えます」(島村医師)
だが、問題は検査を受ける病院がどのレベルのCTやMRIを使っているか、である。